歴史ある祇園祭の由来と見どころ!
Photo:京都フリー写真素材
京都の夏・7月の1カ月間開催される「祇園祭(ぎおんまつり)」。キモノレンタルとオムスビのお店 WA・KKAは、夏の京都観光を計画中の皆さまのために、祇園祭の由来と見どころを解説します👀☝️
1100年以上の歴史あるお祭り・祇園祭
祇園祭は、1100年以上の歴史を持つ、日本を代表する祭りの一つです。その起源は、平安時代前期(869年)にまで遡ります。 当時、京の都をはじめ日本全国で疫病が大流行していました。人々はこれを疫病神や怨霊の祟りだと恐れ、その退散を祈願するために「御霊会(ごりょうえ)」という神事を行いました。 具体的には、当時の日本の国の数にちなんで66本の矛(ほこ)を立て、八坂神社の前身である祇園社(現在の八坂神社)から神泉苑に神輿を送って、疫病の終息を祈りました。 これが現在の祇園祭(当時は「祇園御霊会」と呼ばれていました)の始まりとされています。 その後、疫病の流行のたびに同様の神事が行われるようになり、天禄元年(970年)からは毎年定日に行われるようになりました。室町時代には、町衆の力によって山鉾が巨大化し、豪華絢爛な祭りへと発展していきました。応仁の乱や第二次世界大戦など、幾度かの中断はあったものの、その度に人々の力で再興され、現代まで受け継がれています。 このように、祇園祭は疫病退散と無病息災を祈願する祭礼として始まり、その歴史の中で、山鉾の豪華さや祭りの規模が拡大していきました。
2025年 祇園祭の見どころ
祇園祭は、毎年7月1日から7月31日まで約1ヶ月間にわたって様々な行事が行われます。特に盛り上がるのは、山鉾が巡行する「前祭(さきまつり)」と「後祭(あとまつり)」、そしてその前夜に行われる「宵山(よいやま)」です。
前祭(さきまつり)
🏮7月10日(木)~14日(月):山・鉾建て
・場所: 前祭に巡行する各山鉾町(京都市内、特に四条通・烏丸通周辺の町内)
・見どころ: 釘を一本も使わず、縄だけで巨大な山鉾を組み立てていく伝統的な「縄絡み」の技法は必見です。この期間から祭りの準備が進んでいく様子を見ることができます。
🏮7月10日(木):神輿洗(みこしあらい)
・時間: 20:00頃~
・場所: 四条大橋(鴨川)
・見どころ: 八坂神社の三基の神輿を鴨川の水で清める神聖な神事です。松明が焚かれ、幻想的な雰囲気の中で行われます。
🏮7月12日(土)~13日(日):曳初め・舁初め(ひきぞめ・かきぞめ)
・時間: お昼頃~(山鉾により異なる)
・場所: 前祭に巡行する各山鉾町
・見どころ: 組み立てられた山鉾を試し曳き・試し舁きする行事。一般の人も綱を曳くことに参加できる山鉾もあり、間近で山鉾の迫力を感じられます。「エンヤラヤー」の掛け声とともに、祭りの熱気が高まります。
🏮7月14日(月)~16日(水):宵山(よいやま)
・場所: 前祭に巡行する各山鉾町(特に四条通・烏丸通一帯)
・見どころ: 駒形提灯(こまがたちょうちん): 各山鉾町で山鉾に駒形提灯が飾られ、夕暮れ時から幻想的な雰囲気に包まれます。
🪈祇園囃子(ぎおんばやし): 山鉾の上で奏でられる独特の囃子は、祇園祭ならではの風情を醸し出します。「コンチキチン」の音色は夏の京都の風物詩です。
🪭屏風祭(びょうぶまつり): 一部の町家や旧家、老舗などで、代々伝わる屏風や美術品を公開する行事です。期間限定で美しい京の文化財を鑑賞できます。
🎪屋台・露店: 特に15日と16日は四条通・烏丸通周辺が歩行者天国となり、多くの屋台が並び、賑わいは最高潮に達します。名物の「しみだれ豚まん」や「水あずき」なども楽しめます。
🏮7月17日(木):前祭山鉾巡行(さきまつりやまほこじゅんこう)
・時間: 9:00~
・場所: 四条烏丸出発 → 河原町通 → 御池通を巡行(巡行ルート:四条烏丸 → 河原町四条 → 河原町御池 → 御池新町)
・見どころ: 祇園祭最大のハイライトの一つ。豪華絢爛な23基の山鉾が、都大路を巡行する姿は「動く美術館」とも称されます。
🧒長刀鉾稚児(なぎなたほこちご)による注連縄切り(しめなわきり): 四条麩屋町で行われる神事。稚児が太刀で注連縄を切ることで、神域への結界が解かれ、巡行が本格的に始まります。
🛞辻回し(つじまわし): 巨大な山鉾が、交差点で方向転換する迫力満点の技。車輪に青竹を敷き詰め、水をかけながら、方向を変える様子は、熟練の技が光ります。
🏮7月17日(木):神幸祭(しんこうさい)
・時間: 16:00~(神輿渡御出発式は18:00~)
・場所: 八坂神社から四条御旅所(京都市下京区四条通寺町東入南側)へ
・見どころ: 山鉾巡行に続いて、八坂神社の神様が三基の神輿に乗って各氏子地域を巡り、四条御旅所に鎮座される神事です。
後祭(あとまつり)
🏮7月21日(月)~23日(水):後祭宵山(あとまつりよいやま)
・場所: 後祭に巡行する各山鉾町
・見どころ: 前祭に比べて規模は小さいですが、より落ち着いた雰囲気で山鉾を間近で見ることができます。こちらも祇園囃子や屏風祭が行われます。
🏮7月24日(木):後祭山鉾巡行(あとまつりやまほこじゅんこう)
・時間: 9:30~ 場所: 烏丸御池出発 → 河原町通 → 四条通を巡行(巡行ルート:烏丸御池 → 河原町御池 → 河原町四条 → 四条烏丸)
・見どころ: 11基の山鉾が巡行します。前祭とは異なる山鉾が登場し、それぞれの個性豊かな懸装品(装飾品)を楽しむことができます。
🏮7月24日(木):花傘巡行(はながさじゅんこう)
・時間: 10:00~
・場所: 下京中学校成徳学舎出発 → 烏丸通 → 四条通 → 八坂神社 見どころ: 後祭山鉾巡行の後に行われる、華やかな行列です。舞妓さんや芸妓さん、子供たちが花傘を手に、祇園囃子に合わせて舞いながら巡行します。芸能的色彩が強く、見る人を楽しませます。
🏮7月24日(木):還幸祭(かんこうさい)
・時間: 御旅所発 17:00頃~、八坂神社着 21:00頃~
・場所: 四条御旅所 → 八坂神社又旅所 → 八坂神社
・見どころ: 四条御旅所に滞在していた神輿が、八坂神社へ還る神事です。再び氏子地域を巡りながら、深夜に八坂神社へ還御します。
その他の期間の行事
🏮7月1日(火):吉符入り(きっぷいり)
・場所: 各山鉾町
・見どころ: 祇園祭の始まりを告げる神事。各山鉾町の関係者が集まり、祭りの無事を祈願します。
🏮7月31日(木):疫神社夏越祭(えきじんじゃなごしさい)
・場所: 八坂神社境内 疫神社
・見どころ: 茅の輪くぐりが行われ、疫病退散と無病息災を祈願します。これをもって祇園祭の全行事が終了します。
祇園祭は1ヶ月間続く大規模な祭りなので、日程によって異なる表情を見せます。事前に興味のある行事や見どころを調べて、計画的に観光することをおすすめします。 もちろん、おでかけにはWA・KKAの浴衣レンタルをご利用ください。